この記事でできること
カメラを買うと決める前の話です。どこまで映すか、誰が見るか。「やっぱり映像は要らないな」と思ったときのために、ほかの方法も載せました。
置きたい。でも見張りたいわけではない
カメラがあれば、電話に出ないときに部屋の様子を確かめられる。そこは、やっぱり助かると思うんです。
ただ、自分が親の立場だったら。「今、誰か見てるのかな」と気になって、ソファでごろっとするのも落ち着かないかもしれない。家の中くらい、だらしなくしていたい日もあります。
親には元気でいてほしい。でも、きちんと暮らしているか点検したいわけじゃない。私は、そこをごちゃまぜにしたくありません。
そもそもカメラ以外で足りないか
そもそも、電話で「今、買い物から帰ったところ」と聞けたら、それでほっとするのかもしれない。私なら、何が分かればいったんスマホを置けるかを考えたいです。声で足りるのか、家の中まで見たいのか。
声が聞ければ十分なら、電話する時間を決める方法もあります。映像は嫌でも、センサーなら使ってみたいという場合も。カメラを選ぶなら、画面を見て気になることがあったあと、誰が電話したり訪ねたりできるかも外せません。
先に決めるのは3つ
機種の写真を見せる前に、映す場所と見る人を話しておきたいです。それから、映像を使わない方法ではどうか。「もうこれに決めたんだけど」と始めると、親も断りにくくなりそうなので。
カメラが役立つ場面と急がなくてよい場面
「転んだ」と聞いたら、次はすぐ気づきたい。カメラを探したくなるのも分かります。でも、見えるようになっても、床の段差は残ったままなんですよね。転ばないために変えられるところも、一緒に見たいです。
たとえば夜のトイレが心配なら、廊下は暗くないか、手すりは必要か。火の消し忘れなら、調理器具や安全装置の相談もできます。家の中を少し変えてみても、まだ映像で確かめたいことがあるか。その順で考えても遅くないと思います。
親が落ち着ける場所を残したい
置きやすい棚があっても、そこからソファが丸見えだったら、私は気になります。寝室・浴室・トイレは映さない。そのうえで、玄関や廊下のどこまでならよいか、親と実物を見ながら考えたいです。
「廊下だけだよ」と言われても、部屋のドアを開けたら中まで映るかもしれない。設置するときは、実際の画面を親にも見てもらいます。顔や部屋がどこまで入るか、声も聞こえるのか、録画は残るのか。私なら、説明を聞くだけより、一緒に画面を確かめたいです。
見る側と、見られる側では
子どもは「すぐ助けたい」と思い、親は「自分で暮らせているのに」と感じることもあります。同じカメラでも、見る側と見られる側では受け取り方が違います。どこまでなら映してもよいかは、親にも聞いてから。
設置を話すときの会話例
切り出すなら、たとえば「夜に転んだとき、電話に出られなかったら心配で。廊下の足元だけ映す方法はどう思う?」。説明を終えたら、親の返事を待ちます。嫌だと言われたら、何が嫌なのか聞くところまででも。センサーや緊急ボタンなどを比べるのは、そのあとにできます。
設置前に話しておくこと
家族で一つずつ確認する
カメラの運用ルール
比べるときの見方
「そこまで見えなくてもいいかな」と思ったら、映像のない方法にも戻れます。電話で声を聞くのと、センサーの反応を見るのとでは分かることが違うので、下の表で比べてみてください。
| 方法 | 分かること | 向き不向き |
|---|---|---|
| カメラ | その場の様子 | 転倒や火元が心配な家庭。ただし抵抗感は大きい |
| 人感センサー | 動きの有無 | 映像なしで生活リズムを見たい家庭 |
| 電気・家電連動 | 使用状況 | プライバシーを守りながら変化を知りたい家庭 |
| 定期連絡 | 声や気分 | 親子の会話が負担でない家庭 |
置いてから「やっぱり気になる」と言われたら、少しがっかりするとは思います。買ったばかりだし、設定もしたし。でも、毎日その部屋にいるのは親なんですよね。場所を変える、録画を止める、センサーに替える。外すことも含めて相談したいです。来客やヘルパーが映る場合もあるので、保存先や家族への共有範囲は広げすぎないようにします。
設置前に合意メモを作る
「必要なときだけ見るよ」。これだけだと、毎朝見るつもりの子どもと、電話がつながらないときだけと思っている親で、話が違ってしまいます。約束したつもり、がいちばん困るので、短く書いて残しておきます。
メモには、見る人の名前と、映像を開く場面を書きます。設置場所は「玄関のドアと靴を脱ぐところだけ」など、どこまで映すか分かるように。いつ見るかも、親と話して決めたとおりに書きます。
立派な書面でなくて大丈夫。「見るのは子ども1人。電話に出ないときだけ」のように、親があとで読み返して分かる言葉を使います。録画するか、嫌になったらどう外すかも一緒に残しておきます。
カメラを選ぶ前に決めるプライバシーの線引き
子どものころ暮らした実家でも、今そこで暮らしているのは親です。勝手に引き出しを開けられたくないのと同じように、映されたくない場所もあると思うんです。次の例は、自分が守れる約束に直して使ってください。
たとえば「見るのは私だけで、電話に出ないときに限る」「普段の様子を録画し続ける設定にはしない」。どちらも約束の例です。誰が見られるか、録画や保存期間、通知条件を実際の設定と照らして、親の了承と食い違わないようにします。
カメラは嫌、と言われたら、いったんすすめるのをやめたいです。電話の時間を決めることなら話せるかもしれないし、今日はもうこの話をしたくないかもしれない。別の案を出すのは、それからでも。
本人の同意がない設置は避ける
注意
親の安全のためでも、本人が知らない場所にカメラを置くと信頼関係を損ねます。認知症などで判断が難しい場合は、家族だけで決めず、地域包括支援センターなどに相談してください。
緊急時の手順は、映像を見た後に迷わないためのものです。たとえば、床に倒れていて呼びかけに反応しない、火元に異常がある、玄関が開いたまま長時間戻らない場合は、家族へ共有してからではなく、まず電話、反応がなければ現地確認や救急相談へ進みます。映像だけで状況を決めつけず、持病や服薬、合鍵の有無をすぐ確認できるメモを作っておきます。カメラを置くなら、見る権限と同じくらい、動く責任の所在を明確にしておくことが必要です。
公式情報・公的窓口
- 地域包括支援センターについて厚生労働省
- 介護サービス情報公表システム厚生労働省
- 消費生活相談・消費者トラブル情報国民生活センター
買ってから話すと、引き返しにくい
注文ボタンを押すのは簡単です。でも、届いた箱を前に「嫌ならやめよう」と言えるか。私なら、せっかく買ったのに、という気持ちが顔に出そうです。だから、買う前に話したい。
やってはいけないこと
本人に説明せず設置する、寝室や浴室に近い場所を映す、家族全員が自由に見られる状態にする、録画保存の有無を確認しない。この4つは、親の安心より不信感を大きくしやすい進め方です。
親への切り出し例
「普段を見たいわけではなく、電話に出ないときだけ確認できる方法を考えたい。映す場所は玄関だけ、見る人は私だけ、嫌になったら外すよ」など、何のために置きたいかだけでなく、映す場所と外すときのことも話します。
話がまとまったら、今度はその約束を製品の設定で守れるかを見ます。録画や音声は最初から有効になっていないか。来客が映ったらどう扱うか。通知が来たときに動ける人はいるか。「これでは約束どおりに使えない」と分かったら、選び直します。
カメラ以外の選択肢へ
映像があるほうが落ち着く人も、ないほうが気楽な人もいると思います。親と話してみて気になった方法があれば、下の記事も読んでみてください。