この記事でできること

探す手がかりはほしい。でも、散歩の寄り道まで口を出したいわけじゃない。どこに入れて持ち歩くか、どんなときに位置を見るか。製品の比較と一緒に、毎日の使い方も考えます。

「持たせれば安心」の誤解

たとえば、GPSを入れたバッグとは別のバッグで出かけた日。地図には家が表示されたままです。「持っていってね」と言うのは簡単だけれど、買い物と通院でバッグを替えるなら、付け替える手間が一つ増えるんですよね。

位置が分かる機能だけ見れば、頼もしい道具です。でも、持って出なければ役に立たない。私は、ここを軽く考えたくありません。親がいつも持つ物に、無理なく付けられるだろうか。

機種より先に決めること

月額料金や精度は気になります。ただ、充電が必要なら、そのたびにコンセントにつなぐ人がいる。「電池が減っていたよ」と電話するのは誰だろう。迎えが必要なときは誰が行けるだろう。値段だけでなく、毎日どれくらい手間がかかるかも気になります。

近くに頼れる人がいないなら、そこがいちばん困るところです。家族が遠いことも含めて、使える支援やサービスを相談したい。場所が分かったあとで、どうしよう、と一人で立ち止まりたくはありません。

使う前に話せる三つのこと

位置を見る場面を親と決めて、書いて残す。それから、電池が切れた日の連絡方法も。「今日は使えない」があっても慌てないように、道具のない日まで考えておきます。

GPSは外出時の不安に絞って考える

GPSで家の中の様子までは分かりません。地図では自宅にいる。でも、電話には出ない。そういう心配は残ります。まずは、外出のどんな場面で使いたいかを考える道具なんですね。

通院帰りの乗り換えが心配なら、居場所が手がかりになるかもしれません。帰りが遅いだけなら、「今日は買い物もして帰る」と分かれば足りることも。何でも地図で確かめるようになる前に、電話で聞けば済むことは、それでいいと思います。

散歩の途中で、いつもと違う道を歩きたくなることもあると思います。そのたびに「どこに行くの?」と電話が来たら、私なら面倒です。困ったときに探せるようにしたい。それと、外出先を逐一知りたいのとは、分けておきたいです。

帰宅予定を大きく過ぎたときや、本人が助けを求めたときなど、見る場面は親と相談します。履歴を見る人と通知の届く先も伝えておきます。「その場所にいたの、どうして知っているの」と驚かせる使い方にはしたくありません。

GPSは「見張る」より「探せるようにする」道具

子どもが安心するだけでなく、親自身にも「困ったときに役立ちそう」と思える使い方があるか。そこが話せると、持つかどうかを親も考えやすくなります。

持ってもらうための会話例

たとえば「もし帰り道で困ったら、電話と地図で場所を教えてもらえると迎えに行きやすいんだけど、どう思う?」。毎日持つのが負担なら、通院日だけ使う案もあります。鍵につけられるか、充電を手伝えるかも相談し、親が続けられそうな形を探します。

持ってもらう前の確認

家族で一つずつ確認する

位置情報を見るルール

GPSは外出を見張るためではなく、困ったときの手がかりとして考えます。
GPSは外出を見張るためではなく、困ったときの手がかりとして考えます。

比べるときの見方

小さければ持ちやすい、と思ってしまいますが、入れる場所も大事です。いつもの鍵か、バッグの内ポケットか。下の表は、親が玄関を出るときの持ち物を思い浮かべながら見てみてください。

合う使い方 注意点
キーホルダー型 鍵やバッグにつけやすい バッグを変えると忘れやすい
スマホアプリ スマホを持ち歩く親に向く 設定や電池消費の確認が必要
靴・持ち物連携 外出時に忘れにくい 選択肢や費用を確認する必要がある

バッグを替えるたびに入れ直す。帰ったら充電する。自分のスマホだけでも忘れる日があるのに、もう一つ増えるのは面倒だと思うんです。靴や杖に付ける形も、交換の手間や費用はあります。精度や通信条件に加えて、重さや充電のしやすさも、試せるなら本人に確かめてもらいたいです。

持って出かけるところまで想像してみる

「持つよ」と言ってくれても、毎朝忘れずに持てるかは別です。私だって、玄関で急いでいれば何かを置いて出そうです。使う前から、忘れないように頑張ってもらうことを当てにしたくはありません。

一緒に出かけられる日なら、いつもの持ち物に入れて歩いてみる。邪魔にならないか、出し入れはしにくくないか。帰ってからの充電や電池交換も含めて、一度やってみると分かることがありそうです。

道に迷うこと自体が気になっているなら、機種を決める前でも相談できます。家族だけで原因を判断せず、地域包括支援センターや医療機関に、気づいた変化を伝えてください。

認知症の心配がある場合は家族だけで抱えない

注意

道に迷う、同じ話が増える、金銭管理が難しくなるなどの変化がある場合、GPSだけで解決しようとせず、地域包括支援センターや医療機関へ相談してください。

緊急時の手順は、GPSで位置が分かった後まで決めておきます。まず本人へ電話し、応答があれば目印を聞きます。応答がない、交通量の多い場所に長時間いる、夜間や悪天候で危険が高い場合は、近くに行ける家族や近所の人、警察相談、救急相談の順に動けるよう連絡先をまとめます。位置情報はずれることもあるため、地図上の点だけで断定せず、最後に確認できた服装や持ち物、出発時刻もメモしておきます。

公式情報・公的窓口

外出以外の不安はこちら

外出の心配と、家で一人の時間の心配は、少し違います。電話に出ないときの連絡先や、家の中で使う見守りについても考えたいなら、下の記事へ。